朝日杯FSが阪神競馬場に替わったことによる今後の競馬界への影響について
2018/07/25
今年、阪神競馬場で行われた朝日杯FSは、牝馬が圧倒的な一番人気になるというこのレース至上初めての事態が起きました。結果だけを見れば4着ということになったのですが、この件は今後の朝日杯FSにとってはかなり影響を及ぼすことだったのかもしれません。
そもそも、なぜこれまで朝日杯FSに出走する牝馬が、あまりいなかったのかといえば、そこにはさまざまな理由がありました。
というのも、本来ならこの時期の牝馬と牡馬はそこまで力の差がなく、それなのに1キロの斤量差がもらえるとなれば、もっと出走する馬がいてもおかしくないからです。
ならそこにどんな理由があったのかといえば、代表的なものとしては従来は阪神競馬場ではなく中山競馬場で行われていたということがあります。中山競馬場といえば力の要る馬場の競馬場として有名であり、それもあり年末の有馬記念ではそういった馬が勝つことが多いです。
朝日杯FSが中山競馬場で行われていた頃も、有馬記念の頃ほどではないにしても、十分に馬場が荒れ気味でした。牝馬は基本的には非力な馬が多く、力の要らない東京競馬場などでは牡馬と互角に戦えても、中山競馬場では成績が悪いという馬が多いことを考えると、阪神競馬場で行われていた阪神JFをスルーして朝日杯FSに出走する馬が少なかったのも当然だといえます。
ただ中山競馬場は直線が短く、逃げ馬には有利な競馬場だったということはあるので、ベルカントのような逃げ馬があえて朝日杯FSに出走することはありましたが、それが朝日杯FSも阪神競馬場で開催されることになったので、今回のようなことが起こったのでしょう。
今後は競馬場の馬場問題が無くなったのならば、1キロの斤量差を目当てに次々に牝馬が参戦するようになるのかもしれません。また阪神JFと朝日杯FSが同じ条件になるのならば、開催スケジュールで朝日杯FSを選ぶという馬も増えるでしょう。
今回のミスエルテがまさにそれだったのですが、ステップレースであるKBSファンタジーSから数えて朝日杯FSの方が一週余裕が持てたからこそこちらを選んだのです。
元々ミスエルテは一戦ごとに全力を出す気性のために、レース後に消耗が激しいという気性面の問題があったからなのですが、それでもレースごとにどんどん体重が減っていることを考えると、今回はGⅠだということもあり仕方なく間隔を詰めましたが、本来はこれでもまだ間隔が短かったのでしょう。
このような点から考えても、今後朝日杯FSに出走する馬はどんどん増えると思います。そのときに阪神JFと朝日杯FSのどちらを勝った馬が、最優秀2歳牝馬になるのかは興味があります。