フェブラリーステークスの舞台、東京ダート1600mについて
2018/07/25
フェブラリーステークスは、東京競馬場で争われるダートのG1レースです。
日本で開催されているダートG1レースは、多くが地方競馬場で実施される地方交流重賞です。JRAの競馬場で実施されるレースは、年末の中京競馬場で開催されているチャンピオンズカップと、このフェブラリーステークスの2レースのみとなっています。
チャンピオンズカップは1800m、フェブラリーステークスは1600mと距離が近いため、一見似たような傾向になりそうですが、この2つのレースは本質的に異なります。
その原因は、コース形状にあります。中京競馬場のダートコースは、直線が約410mで割と長い方ですが、コーナーは小回りでカーブがややキツいことから、スピードを上げて追い込んでくる馬は一旦減速し、直線を向いてから再加速する必要があります。
このため、ペースに関係なく先行馬が粘るケースが多く、2016年のチャンピオンズカップでも、ハイペースになった割には逃げたモンドクラッセが直線半ばまで先頭を守ったほか、先行したアスカノロマンが3着に粘りこみました。
中京競馬場のダート重賞には他に東海ステークスがありますが、スローペースになることが多いため、更に先行馬が残りやすいレースと言えます。
一方、東京競馬場のダートコースは直線が約500mもあり、コーナーが比較的緩やかです。直線に入るまでじっくりと追走する馬が多いため、特に2100mのレースではスローペースになりやすく、先行馬やスローペース向きの差し追い込み馬が有利とされています。
フェブラリーステークスが実施される1600mでは、2100mほどでは無いもののペースが落ち着きやすいため、逃げ馬が粘り波乱となることも少なくありません。
G1のフェブラリーステークスでは、逃げ馬の成績は信頼に足りうるものではありませんが、前目で追走できる有力馬にとっては競馬がしやすいコースとなります。
このほか、直線の坂の高低差は芝コースよりもきつく、スタート地点が芝コースに設けられているなど、東京競馬場のダート1600mはあまり他には見られない特徴を持っています。
スタートしてからの芝コースの距離は、内枠より外枠の方が長いため、外枠の方が良いポジションを取りやすい傾向があります。
一方で内枠に入った逃げ先行馬は、包まれてしまう可能性があり注意が必要です。東京ダート1600だけを得意としている競走馬もいることから、仮に近走の成績が不振だったとしても、得意としている馬の場合は軽視は禁物です。