2016年の朝日杯を振り返って感じたこと
2018/07/25
2016年の朝日杯フューチュリティステークスは、1番人気から5番人気までの人気サイドがすべて4着以下に沈む大波乱の競馬になりました。2歳馬の頂点を決める朝日杯が中山から阪神へ施行条件を変え、今年で3年目です。
過去2年の勝ち馬であるダノンプラチナとリオンディーズは人気サイドの馬だったのですが、今年かったサトノアレスは6番人気でした。今年は怪物牝馬の呼び声高かった断然1番人気のミスエルテが4着に敗れてしまい、波乱を呼ぶ結果になりました。
ミスエルテは前走のファンタジーステークスで驚異的な末脚を繰り出したインパクトがとても強く、牡馬と混じって走っても引けを取らなそうな潜在能力は確かに見せていました。
しかし、今年の朝日杯にはミスエルテ以外にも強豪馬が何頭かいて、買ったサトノアレスも連勝中で戴冠の資格は十分ありました。
レースレベルが一気に上がって厳しい競馬を強いられたミスエルテは、直線でジリジリと脚をのばしたものの、3着以内に入線することはできませんでした。これが競馬の難しいところで、終わってみれば「牡馬相手にはまだ通用しなかった」ことが結果としてわかります。ただ、レースをする前はファンが「牡馬と比べても一番強い」と1番人気に支持してしまったのです。
ただ、ミスエルテの評価をこれで過小評価するわけにはいきません。
阪神ジュベナイルフィリーズを制した同じフランケル産駒のソウルスターリングとはまだ対戦していないですし、牝馬相手ならもっと着順を上げられると期待できますので、ミスエルテはこれから先、牝馬クラシック戦線でソウルスターリングと共に中心的な存在になるはずです。
朝日杯を勝ったサトノアレスはディープインパクト産駒なのでマイルがベストかもしれませんが、牡馬クラシック戦線である2000mの皐月賞、2400mの日本ダービーでも十分通用する下地はあります。管理するのは関東の名伯楽である藤沢和雄調教師ですから、サトノアレスをどんな風に成長させるのか今からとても楽しみな一頭です。
また、バルザローナ騎手を背に朝日杯2着で重賞3連続連対を果たしたモンドキャンノは、キンシャサノキセキ産駒だけに先々まで短距離でおもしろそうな馬です。
こちらも関西で数々のスーパースプリンターを育てた安田隆行調教師が管理していますので、未来に高松宮記念やスプリンターズステークスが見すえられます。
改めて振り返ってみると、今年の朝日杯は見どころの多い1戦でした。朝日杯好走馬が明け3歳でどんな活躍をしてくれるのか、2017年が待ち遠しいです。